2014年3月14日金曜日

福島大学×志友会 福島起業塾 プレゼン決戦大会: 聴講レポート


去る3月7日(金)は 福島起業塾のプレゼン決戦大会でした。最終決戦に勝ち残ったのは4名。

教科書ベースの知識で創られたものではない、オリジナリティに富んだ事業計画、そして、インスパイア度満点の発表スタイル・・。最終回だけしか出席していない私でありながら、最初から受講していたかのようなフレンドリーな空気に包まれての聴講となりました。




プレゼン決戦出場者(敬称略)

●手塚 勇佑(ビジネスネーム:メロン) 
事業企画:福島市のお祭り2.0~クラウドファンディングからのリアルライブ体験 

●サインブヤン オドバヤル 
事業企画:若い子対象のIQスクール 

●小野寺 栄策
事業企画:学生経営Bar~学生による学生のための居心地のよい空間創造
●石井 僚
事業企画:カッコイイ「和」でつなぐ 邦楽専門ウェブサイト

福島起業塾とは、奥本英樹教授のコーディネートで「就職するより起業しよう!」を合言葉に始まった全15回のセミナー&ワークショップ。斬新なビジネスモデルで業界に旋風を巻き起こしている「志友会」所属の社長たちを講師陣に迎えた公開寄付講座です。
 

実践的でホットなケーススタディでディスカッションを重ね、人事・財務・法 務・販促・事業計画・・・それぞれの業界のトップランナーでもある社長たちによる講話をたっぷりと吸収した受講生たちの事業計画とはどんなものなのか?  大きな期待が渦巻くなか、プレゼンがはじまりました。
 

☛メロンこと手塚君は、お祭り大好きで、いろんなお祭りを見学し ているうちに、「観る」お祭りから「リアル体験する」お祭りのほうが楽しいに違いない・・との思いに至り、事業計画をスタートさせたようです。さらに、マ イナーなお祭りも含めて「観る」体験を重ねるうちに、お祭りの主催者側の苦悩やジレンマなども感じとったようで、そのジレンマの解決策としてクラウドファ ンディングというキーワードにいきついたようでした。人懐っこいキャラクターと類まれなる行動力を持ち合わせた手塚君ならではの企画で「福島市のお祭りを ベースに、全国、世界へとつながるワクワク感も・・すぐにでも始めるべきだ!」という講評も得ていました。 
 

サインブヤン オドバヤル君は、オレンジの勝負シャツでプレゼンに挑んだ熱血漢。海外での先行事例なども紹介しつつ、世界平和へとつながる IQ教育を・・と訴える情熱の持ち主でありながらも「今回のプレゼンでは、投資家向けなのか消費者向けなのか、もう少し明瞭にすればよかった」と自らを厳 しく省みる冷静さも。専門用語を多用しながらもユーモラスな話題を随所に盛り込むなど、緩急の効いた話術、とにかく堪能な日本語に感心しました。後日、起業塾に参加してみての感想を尋ねると「常にいろんなことに関心をもち、チャンスとオプションを考え、周りの人間を観察している・・志友会の社長さんたちの 気質がとても印象に残った」とも話してくれました。
 

小野寺君は、「Bar=水商売。という既成概念とは一線を画して、福島市内7000人の学生のための居場所を創りたい。そして、そこは、ダ ンスやアカペラなどのパフォーマンスや学生活動の発表の場であり、実践的に経営を学ぶ場でもあり、将来の起業家を輩出する空間として機能させたい」とのこ とでした。小野寺君にはすでに、後輩学生たちにも経営者目線での経済活動をリアルに体験させたい!とするメンター的な思いが根付いているようでした。
 

☛今春、就職が決まっている石井君は、 ヒップホップ感覚での「和」のとらえ方や音楽業界でのニッチともいえる「邦楽」に着目し、Webサイトを活用したビジネスモデルを提案。「日本のアーティ ストがもっと日本人に知れ渡るよう、簡単にWeb検索できるサイトが今こそ必要だ」と熱く訴求。質疑応答後には、「ビジネスとしての課金のポイントをさら に工夫してみたい」と経営者視点で自らの企画を振り返り、「日本の音楽業界の傾向と可能性を訴えたい!との思いでスタートした企画だったが、アイディア出 しから事業化へのベースづくり、利益拡大・事業拡大への方向性までをまとめあげたことが大きな自信につながった」とのことでした。
 

今回の決戦大会の審査員は、奥本教授をはじめ志友会所属の社長たち、受講生、 そして、私たち一般聴講者でした。審査については、30点満点での点数(実現性など3つの角度で10点ずつ配分)と投資家だったらいくら投資するかの金額 を記入(投資はしないがお手伝いはしたいを選択する場合もあり)し、総合的な感想を寄せるというシートが配布されました。発表を聞く受講生たちにも投資家 や経営者の判断力や洞察力を求める仕掛けがあって、面白い試みだと思いました。

審査シートの集計後、井本喜久コズ(株)代表取締役から 「優勝は、メロンちゃんこと 手塚勇佑君」との発表がありました。
 

最後に、志友会代表理事で中島晋哉(株)エプルガ代表取締役社長か ら、「受講生たちの発表が、1週間前の内容よりさらにブラッシュアップされていて感動した。決戦までの短い時間に、内容をガラリと変えてきた人もあった。 そこに、事業をなんとか結実させて福島を元気にしたい・・とする情熱を感じた。そういう思いの人が一人でもいる限り、福島を応援し続けたい。福島、頑張れ!」との挨拶があり、2013年度の起業塾は修了(終了)しました。
 

続いて、木村覚インテグラス(株)取締役から 2014年度も「起業塾」が開催される旨が発表されました。2014年度は、さらに多くの方に受講していただけるように「福島大学の公開講座」のメニューに組み込まれる予定とのことです。

第1回
2014年 5月9日(金) 18:00~19:30

以降、2週間おきの金曜日で、全12回開催予定とのことです。時期が近づいてまいりましたら、本ブログでもお知らせいたします。どうぞ、ご期待ください。

文責:吉田 佳世子