2013年9月3日火曜日

吉田 樹(准教授)新任教員あいさつ:経済経営学類生に期待すること~母校の教員に着任して~

吉田 樹(准教授)


提供:吉田樹准教授
この春より、地域経済論を担当しております吉田 樹(いつき)と申します。よろしくお願い致します。私は、1998年に本学の行政社会学部(現・行政政策学類)に入学した後、「都市や交通を研究したい」と思い立ち、岐阜大学に編入学、東京都立大学大学院都市科学研究科を修了した後、2012年2月まで、首都大学東京都市環境学部の助教として勤務しました。その後、2012年3月に、本学の「うつくしまふくしま未来支援センター」の教員として、12年ぶりに母校へ戻り、本年の4月から経済経営学類に着任しました。ちなみに、妻は旧経済学部の卒業生であり、信陵同窓会の「先輩」にあたります。

私の専門は、地域交通政策やまちづくりです。「買物難民」というキーワードをよく耳にしますが、日常社会生活に欠かせない「おでかけ」を支えるモビリティ(移動手段)の提供方策をシステム論、ニーズ論、政策論の観点からアプローチしています。特に「現場」での実践知を「理論」に昇華させることを重視しており、社会資本整備審議会・交通政策審議会の臨時委員として、交通基本法案の検討にも参画しました(民主党政権の交代により自動廃案になりましたが)。一方、震災復興に関しては、県観光交流課とともに、観光復興の可能性を調査・研究しているほか、南相馬市や大熊町の復興まちづくりを支援しています。

さて、久々に母校へ戻り、今春から講義を担当していますが、福大生の印象は、今も変わらず「素直」だと思います。講義中の私語はなく、「睡眠学習」をする学生もほとんど居ません(私の声が大きく睡眠に向かないだけかもしれませんが)。その一方で、内に熱い想いを秘めている学生も少なくなく、ともすれば「内向き」に陥りやすい風潮のなかで、個々の興味・関心を深める教育を実践することが大切だと考えています。しかし、(全学的な傾向ですが)公務員試験を目指す学生が多いせいか、解法のテクニックを体得すればよい、すぐに解答を求めようとする傾向があります。私の講義では、地域の抱える諸問題をとりあげますが、明確な処方箋が描けるケースは少数であり、多くは、失敗と討議を重ねるなかで、地域が進むべき道を探ることが求められるわけです。だからこそ、学生時代に多くの地域を「歩き」「観て」「考える」経験を積むことは有効ですし、何よりも、失敗を恐れず、一歩前に踏み出す勇気を持ちたいところです(失敗に寛容な教員でありたいと思います)。

ゼミ一期生の選考では、2年次生11人をお迎えすることになりましたが、本学類には珍しく、女子学生の方が多くなりました(6人)。夏期休業中には、佐渡島の現地調査を行いますが、年度末までに、ゼミ内のグループ対抗で「島内公共交通を利用した観光プラン」を作成してもらいます。うまく行けば、着地型旅行商品となるチャンスもありますが、どのような提案が生まれるのか、楽しみです。