2013年8月30日金曜日

学類の新カリキュラム(2013年4月入学移行)について

 ※後援会報  第46号(2013.8/2発行) 転載記事



佐々木 俊彦(教授・教務委員)

学類カリキュラム等の重要ポイントについて


1.カリキュラム改革


本学類では、平成17年度からのカリキュラムをマイナーチェンジして、今年度入学生からは新しいカリキュラムとなりました。今回のカリキュラム改革は、旧カリキュラムの大枠を前提としながら、専門分野の基礎部分のより着実な理解を目指し、主体的な学習機会の一層の充実を図るものです。具体的には、次の4つが改革の柱となっています。① リテラシー科目(最低限の専門的素養を学ぶ科目)群の改革、② 特別演習(専攻ごとに多様な内容・形態で開講されるセメスター完結型の演習)と特殊講義(新カリでは、臨時的科目、補習授業、アドバンスト科目、深化科目からなる)の再編、③ 4年一貫の少人数教育の導入、④ 会計エキスパート養成プログラムの新設。紙幅の都合上、これらについて詳しい説明はできませんが、あとで③には言及します。(以下の説明は、特に断りのない限り、新旧両カリキュラムに共通のものです。)

2.履修基準(留学生以外の一般学生)


本学では、通常1回の授業は90分であり、講義科目の場合は週1回半年間(15回)受講して合格すれば、2単位を与えられます。本学類の履修基準(どの科目を何単位取れば卒業できるかを示したもの)は次のとおりです。まず、本学を卒業するためには、総計124単位修得しなければなりません。各科目は基本的に自己デザイン領域、共通領域、専門領域のいずれかに属しており、本学類の卒業に必要な単位数はそれぞれ8単位、26単位、70単位となっています。なお、自己デザイン領域と共通領域は全学共通の教養的な領域、専門領域は学類独自の専門的な領域です。ほかに、上記3領域から各自の興味に応じて科目を取る領域として自由選択領域があり、卒業に必要な単位数は20単位となっています。

3.GPA制度


本学では、各科目の成績をA(きわめて優秀)、B(優秀)、C(望ましい水準に達している)、D(望ましい水準に達していないが、不合格ではない)、F(不合格)の5段階で評価します。また、Aを4点、Bを3点、Cを2点、Dを1点、Fを0点に点数化したものをGP(Grade Point)と言います。GPA(Grade Point Average)とは、履修科目1単位当たりの平均GPの値(つまり履修科目の成績の平均点)です。GPAは日本・国際標準の制度で、外国への留学、大学院への進学等にも活用され、就職に役立つ可能性もあります。本学類を卒業するためには、指定された専門的な科目群のGPAが2.0以上であることが必要です。単位数は学習の量をカウントするものですが、GPAとは修得した単位の質を測定する尺度ですので、本学類では大学における学習の量のみならず質も重視した教育を行っているということになります。

4.4年間の学習イメージ


本学では、1年を前期・後期に二分し、各期をセメスターと呼んでおり、在学期間の4年間は、第1セメスターから第8セメスターに分かれています。ここでは、新カリキュラムにおける標準的学類生の4年間(全8セメスター)の学習イメージをお示しします。第1、第2セメスターでは、自己デザイン領域、共通領域、専門領域の必修科目の履修が中心となります。また、教養演習(少人数で必修のゼミナール)担当者がアドバイザー教員となり、学習や生活についての相談相手になります。第3セメスターでは、自分が所属することになる専攻と専門演習を決定します。また、旧カリキュラムには第3セメスターに少人数で必修の演習科目がありませんでしたが、新カリキュラムではその条件を満たす経済英語演習(留学生については、経済日本語演習の場合もある)の担当者がアドバイザー教員になります。第4セメスターからは、経済分析、国際地域経済、企業経営のいずれかの専攻に所属するほか、大部分の学生は専門演習(4~6セメ)と卒業論文演習(7~8セメ、8セメは必修)にも所属しながら、専門的な科目を履修します。また、第4セメスター以降は、通常専門演習または卒業論文演習の担当者がアドバイザー教員になります。第8セメスターには卒業論文を提出します。ただし、第6セメスター終了時点で要卒単位中80単位以上を修得していないと、第8セメスターに卒業論文を提出することはできません。

5.早期警告措置


本学類には進級要件単位等、進級の際のバーは設けられていませんが、成績不良の学生に対して早期警告措置を行っています。具体的には、偶数セメスター終了後に、修得単位数または卒業要件GPAの点で、一定の基準に達していない学生には、アドバイザー教員、教務委員、学生生活委員、教務課職員などが連携して、個別指導や面談を実施しています。また、必要に応じて保護者の方にも連絡を取って対応しています。残念ながら、これらの措置にもかかわらず、成績不振のために留年する学生もある程度存在しますが、当然留年生に対しても上記の修学、生活上の指導は継続して行われます。

 

6.成績表の送付


希望されないご家庭を除いて、毎年7月頃に保護者の皆さまへ前年度のご子弟の成績表をお送りいたします。成績表チェックの際の最も簡単な目安は、要卒GPAが2.0以上かどうかということと、第1学年終了時点で40単位、第2学年終了時点で80単位、第3学年終了時点で110単位修得しているかどうかということです。本学類生の成績を調べると、1学年終了時で40~44単位、2学年終了時で80~89単位、3学年終了時で110~119単位を修得している学生が例年最も多いことが分かります。したがって、1学年終了時に40単位、2学年終了時に80単位、3学年終了時に110単位修得していれば、平均層に食い込んでいるということになります。保護者の皆さまには、以上のようなカリキュラム等をご理解のうえで、ご子弟の修学状況を定期的に把握しておいていただけますようお願い申し上げます。