2014年3月27日木曜日

専門演習紹介:佐野孝治ゼミ・ インドネシアへのフィールドワーク実習を終えて

※後援会報  第47号(2014.1/24発行) 転載記事

橋本 康広(佐野孝治ゼミ)

今回インドネシアのフィールドワーク実習では10日間の日程でJICA、防災庁、NPO、日系企業、小学校、高校、農場などを訪問し、さまざまな視点からインドネシアという国を見ることができた。

JICAのプロジェクトに関わっている防災庁では、インドネシアならではの防災の難しさを学んだ。特に極度の貧困者への対策がそれである。さらに日本とインドネシアが震災という点で共通するところが多いこと、今後、防災という観点から両国間の情報交換や資金援助、技術協力を行いながら協力することの重要性を学ぶことができた。また両国とも全国民単位の防災意識の向上が必要だと感じた。
 
NPOではジャカルタの小学校、バリの高校を訪問した、職員とのインタビューや学生との交流を通して新興国の教育の現状や今後の展望など貴重なお話を聞くことができた。これからのインドネシアを担っていく子供たち、学生の漠然とした、しかし確実にある「若い力」というものを感じることができた。さらにはこのような「若い力」を巻き込んでいけば将来的に持続可能な開発を進めることができると同時に、日本においても復興の原動力になるのではないかと感じ、教育制度の重要性、若者の意思が反映できるような機会の創造が必要だと学ぶことができた。

トヨタ、フマキラー、日立など3社の日系企業の訪問では自動車産業、インフラ産業、BOPビジネスという異なる産業のお話を聞くことができた。いずれもインドネシア独自の法制度、社会のうえでの企業活動に難しさを抱えている一方、それを上回るインドネシアの市場における魅力、そして他国という何の確証もないところに飛び込んでいける「挑戦力」ともいえるものを感じ、それを学ぶことができた。
 
最後に、上記で学んだことと同時に貧富の差や各インフラの未整備、不衛生な環境など日本では感じることができない多くのことを体感することができた。今回の研修は、私の国際的な視野を広げるとともにこれまでの自分の価値観というものを180度変え、大変充実したものとなった。

提供:佐野孝治ゼミ