2013年5月10日金曜日

専門演習紹介:佐野孝治ゼミ・タイへの海外フィールドワーク実習を通して

※後援会報 第45号(2013.1/25発行)転載記事

南山 由紀子(佐野孝治ゼミ生)

今回フィールドワーク先として訪問したタイでの9日間は、私にとって異国の文化・慣習などを実際に肌で感じることができただけでなく、これから生きていく上での姿勢について考えさせられた期間でした。私は今まで海外経験がなく、外国や現地の人々に関してはテレビや本などのメディアやインターネットから情報を得てきました。そのような状況の中で、今注目されているアジア、その中でも勢いのある中進国であるタイでのすべての体験は新鮮かつ驚きに満ちており、とても有益なことでありました。

この海外フィールドワークでは、2011年に起きたタイの大洪水の際の各アクターの対応や今後の課題を調査し、東日本大震災を経験した私たちが両災害からの復興・対策について考察していくという目的をたて実施しました。調査において、JICAやJETROのバンコク事務所の方々や大学、水道局や厚生省、日系企業の協力により、事前調査では明らかにはならなかった部分や実際の現地の様子を知ることができました。

また9日間という短い時間ではありましたが、タイ王国という国で感じた活気あふれた様子は忘れられません。現地の人々とのコミュニケーションの中で、とても陽気で前向きな人柄がひしひしと伝わってきました。主に滞在していたバンコクでは高層ビルなどの建造物が立ち並び、道路の渋滞も公共交通機関の混雑も酷く、また観光客も多く、どこへ行ってもタイ独特の熱気に包まれていました。しかし都市部から少し離れた農村や、一本裏の路地に入るだけで雰囲気は大きく変わり、最低限の衣食住が確保できていない人々が多く存在しているのも事実でした。日本にいるときには想像もできないような様々なことを実感し、とても貴重な経験となりました。

大洪水で被災しても協力しながら復興を目指し、これからの対応策について前向きに取り組んでいるタイの人々の姿を目の当たりにして、私たち日本人も見習うべきことがあると改めて感じることができました。また彼らは何よりも自分たちの国のために、タイのために、さらには世界のためにという思いが強くあることを実感し、これがタイの活気や熱気に繋がっているのではないかと思いました。このフィールドワークを通して経験したことを、これからの自分自身に活かしていけるよう何事も力強く前向きに取り組んでいこうと思います。