2014年4月16日水曜日

専門演習紹介:飯島充男ゼミ・ゼミの日常 2013

※後援会報  第47号(2014.1/24発行) 転載記事

佐藤 直紀(飯島充男ゼミ生)

私たち飯島ゼミナール(以下、ゼミ)は、農業経済・地域経済について勉強しているゼミです。平時の活動は主にテキストの輪読であり、毎年9月にはゼミ合宿として地域農業を調査するフィールドワークを行っています。「やるときは全力でやる」「楽しむときは目一杯楽しむ」というメリハリがあることがこのゼミの特徴であり、いいところだと思います。飯島先生の親父ギャグにゼミ生が首を傾げ、ゼミ生の芸で笑いが戻るのがいつものパターンです。

ゼミ活動の内容について詳しくご紹介します。平時の活動である輪読は、課題図書の指定された範囲について要約した資料を作成し、他のゼミ生がその内容について質問し、答えを議論して理解を深め合うという形で行っています。また、「日本や世界の食生活はどのように変わっていくか」「TPPが妥結した今、日本の農業が生き残っていくには」といった、資料の内容に即した論点についてゼミ生と先生が議論をします。

次に、今年度のゼミ合宿の内容についてご紹介します。今年度は二本松市東和地区を訪ね、原発事故が農業経営に与えた影響だけでなく、新たに始まった農家民宿の経営状況や、当該地
域のNPO「ゆうきの里東和ふるさとづくり協議会」の地域活性化に与えた効果などについて、実際に農家民宿に宿泊して農家の方々にお話を伺いました。他にも、夢ワイン株式会社、グリーンツーリズム会長やげんき堆肥有限会社ファイン、新規就農者の方々に東和地区の地域活性化に向けた取り組みについてお話を伺いました。

2泊3日にわたるゼミ合宿の結果、未だに販売できない農産物があるなど、原発事故の影響が見られるものの、道の駅東和の経営状況は好調、ふるさとづくり協議会も「里山再生プロジェクト」の一環として地域の交流活動や伝統文化の継承を行っており、農家民宿には様々な地域から多くの大学生が泊まりに来ている(実際に東京農工大学の方々と民宿でご一緒しました)など、様々な興味深いお話を伺うことができました。この他にも調査を通して様々なことを知ることができたので、今はそれを12月の合同ゼミ発表会とコラッセ福島で発表するために調査結果をまとめている最中です。

こうしたゼミ活動を通して、震災・原発事故といった悪条件の中でも活路を見出し前向きに頑張る人たちの姿を直に見ることができたのは、大きな励みになりました。自分は公務員志望なのですが、将来福島の行政に携わることがあれば、東和地区の地域活性化に尽力したいと思います。