2016年7月9日土曜日

田中俊之先生(男性学)の学術講演会開催

田中俊之先生(武蔵大学社会学部)による学術講演会(経済経営学類、経済学会共催)が2016年7月6日(水)14:40-16:10に福島大学L3教室にて行われました。

講演中の様子(撮影:遠藤明子)
田中先生は、男性学を専門とする、今注目の社会学者です。男性学とは、男性ゆえに抱える生きづらさを解明し処方箋を描く研究分野です。これまでジェンダー(性差)に関する研究といえば女性学(フェミニズム)が一般的でしたが、ここ数年、田中先生のお仕事を初めとして男性学も急速に脚光を浴びています。

今回の学術講演会のテーマは「大学生の男女で考える、これからの男性の働き方」でした。

大学生のキャリア問題というと、就職活動に関心が集中する傾向がありますが、本来キャリアは長期的な視野で考える必要があります。現在の大学生は、年金受給年齢の引き上げが続く流れからすると、おそらく卒業後50年間(!)働き続けなければならないでしょう。さらに、低成長経済のもとでは、男性が主たる稼ぎ手、女性は家事・育児・介護を担うという、性的役割分業や男性稼ぎ手モデルは立ちいかなくなってきています。そのようななか、高度経済成長期に確立した働き方のままでは、男性も、女性も、そして子どもも生きづらさを抱えてしまいます。

そこで今回の学術講演会では、大学生に向けて、これからの働き方を考えるための糸口を、田中先生はユーモアを交えながらお話くださいました。

受講した学生のコメントカードには、今までで一番おもしろい授業だった、自分事として考えられた、これまで抱えていた辛さから楽になった、(自分は女性だけど)男性も辛いということがわかった、目から鱗が落ちる内容だった、といった感想がたくさん寄せられました。

(文責:遠藤明子)