荒 知宏(准教授)
昨年の10月から本学に赴任いたしました荒知宏と申します。専門分野は国際経済学で、特に国際貿易論を研究してきました。福島大学では国際経済学だけでなく、ミクロ経済学や外書講読(英語)などの授業も担当しています。
私は福島県の相馬市の出身で、高校卒業まで同地で過ごした後、東京の大学に進学し、大学卒業後にオーストラリアの大学院に進学して、そこを昨秋に修了して福島大学に着任して参りました。大震災の時はオーストラリアに留学中であり、震災直後は情報があまり伝わって来ずに心配でしたが、不幸中の幸いにも私の家族は全員無事でありました。今回、故郷の国立大学である福島大学に着任させていただくことになったのは全くの偶然だったのですが、震災からの復興に微力ながらも貢献できるように、研究や教育活動に励んでいきたいです。
福島大学に来て早いもので半年が過ぎましたが、大学の教員として働くことを通じて、たくさんの貴重な経験をさせていただきました。その中の最も重要な経験は、もちろん大学での授業を担当することです。新米の教員として至らないことが多々あると思うのですが、授業後に質問に来てくれる学生からのフィードバックは私にとって有難いものですし、学生からの授業評価のアンケートでは色々と改善すべき点を指摘してもらいました。また、今年の4月からは新入生向けの教養演習というクラスを担当していますが、明るく元気な1年生なのでこの授業は楽しいだけでなく、基本的な経済学の考え方を教える機会でもあり、非常にやりがいがあります。このような貴重な機会を与えていただいた福島大学の皆様に感謝申し上げます。
私は長いことオーストラリアに留学していたので、日本の大学教育の良い点を残しつつも、欧米の大学教育の良い点も福島大学で取り入れていくことができればと考えています。例えば、前述した外書講読や教養演習のクラスでは英字新聞を読んだり、英語で口頭発表したりする機会を設けて、英語に接することを奨励しています。また、今夏には福島大学の英語能力が高い学生をアメリカでのインターンシップに約2か月間参加させるというプログラムにも関わらせていただくようになりました。これからはグローバル化の時代だとよく言われますが、福島大学の学生の皆さんが積極的に海外の良い点を学び、様々な文化や考え方に接することを陰ながら支援できればと思います。