2014年4月10日木曜日

専門演習紹介:後藤康夫ゼミ・ 後藤ゼミの紹介

※後援会報  第47号(2014.1/24発行) 転載記事

佐藤 裕菜(後藤康夫ゼミ)

私たち後藤ゼミは、2013年度現在、2年生5名、3年生7名、4年生12名の計24名で活動しています。ゼミの活動は、普段は文献の読み合わせ、また夏と冬には合宿も行っています。このゼミの一番の特徴は、各個人の研究テーマがそれぞれ興味のある分野について学んでいる、学生の自主性にまかせられているところだと思います。学生が国際地域や経営、経済分析の3つの専攻から集まっているということもあり、ゼミ生はユニークな方々が多く、とても居心地の良いゼミだと感じています。

今年の夏合宿は、9月にばんだい高原「ホテル白雲荘」にて一泊二日で行いました。主な内容は4年生の卒論、2・ 3年生の個人研究のテーマの報告で、夜にはゼミ生の交流会を行うなど、この合宿を通して先輩方がどのようなテーマを持っているのか、また就職活動などの近況報告などを聞くことができました。

通常は、金曜日の4・5限にゼミを行っていて、今期は「グローバリゼーションと地球市民の成立」というテーマのもと、デヴィット・ハーヴェイ著の『コスモポリタニズム 自由と変革の地理学』という本の読み合わせを行っています。この本は、政治権力に悪用され、新自由主義に簒奪され、抑圧的なものへと転化した「自由」などの普遍的価値を、<地理的な知>から検討し、新たなコスモポリタニズムを構築するという、著者の研究の集大成となっています。報告者は、自分の担当した箇所を要約しA4で2枚程度にまとめ発表、司会者は、進行し質問を集めるなどの役割分担があり、他の人は自分が疑問に思ったことを報告者に質問します。一人あたりおよそ30ページの担当を要約するということは難しく、また他の人の疑問に答えなくてはいけないため、本をしっかりと読み込みゼミに臨む必要があります。質問するということはただ質問者のみがその人の理解を深めるだけでなく、ゼミ全体の中での理解度も上昇させることもできます。私は、このようなゼミでの要約や質問といったものが苦手で、先輩方の鋭い指摘やレジュメからたくさんのことを学んでいると感じています。

ゼミは、他の講義とは違う形式で、少人数でタテのつながりを感じることができ、自分の意見を求められます。今後私自身、後藤ゼミでの活動を通して、知識を増やすだけでなく、質問するなどの自分の意見を言える力を身に付けていきたいと思っています。